2021自民総裁選考察③
私は日本にはあまり時間が残されていないのでは?という気持ちが強い。
中国の軍事拡張の勢いはすさまじく、今経済的に不安な状態とはいえ、この路線は継続される可能性が高い。
韓国の軍事費はもう日本の防衛費を抜くのは目前、何の意図があるのかは微妙だが、対北朝鮮とは思いにくい。
一方日本は相変わらず専守防衛のお題目の下、防衛費も微増にとどまっている。
周辺国の軍事費増大の状況下で、日本の防衛費増額に異を唱える国内勢力がある。
思想的な理由もあれば、財務的な理由もあるだろうが、なぜ多くの国民に危機感が無いのかと思う訳だが、なんとなく戦前の日本は良くない国だったという潜在的な観念が根底にあると思われること、それを前提としたマスコミの報道・放映の姿勢も相当影響しているというのは前回も書いた通り。
防衛費の増額や防衛関連の研究への投資、敵基地攻撃を含む敵の攻撃力の無力化、一刻も早く取り組むべき課題と言える。
日本が現状のままであれば周辺国も現状のままだと言うならそんなに急ぐ必要は無いかもしれない。
しかし現実は日本の事情などお構いなしというか、むしろ有事の際には日本が弱いほうが都合がいいのだろう、急速な軍事拡張をしている。
一体何の為か、他国の領域を脅かす行動をとっている国なのだから、その先は想像に難くない。
反対に、現実的に中国を脅かしている国があるのか?
インドあたりとは国境を接している部分で衝突があるようだが、限定的なもの。
ロシアとも微妙なところはあるとはいえ、基本的に共同歩調をとることが多い、いわば準同盟国のようなもの、現時点で急激な軍事拡張が必要とは思えない。
では何の為か。
米国と対峙できる軍事力を保有して、アジアの覇権を握ろうとしている、周辺の、中国が言うところの核心的利益に対して軍事侵攻しようとしている、普通に考えたらそういうことではないのか?
その中には日本の尖閣諸島が含まれているし、台湾も対象だ。
もちろん長い目でみれば、尖閣諸島はおろか沖縄さえ危険領域、このことから多くの日本人は目を背けてはいないか?
国の力はもちろん軍事力だけではない。
外交力や経済力も大切な力だ。
外交力によって味方を増やし、極力武力衝突を回避するのが最重要ではあるが、攻撃を受けたら防衛、反撃の行動をとらなければ、少なくない国民が命を落とし、多大な被害を受け、領土を失うことになる、だから軍事力も大切。
外交交渉過程においても、背景とする軍事力が大きければ攻撃を受けるリスクは格段に下がるだろう。
経済力が無ければ兵員の確保、兵器購入、燃料や食料、武器弾薬の確保に事欠く有り様となる。
ここまで書いて、総裁選とは直接には関係ない部分が多かったが、何が言いたいかと言うと、今の日本には防衛力、防衛関連の研究開発、経済力の強化、これらが必要だということで、それらを政策として打ち出しているのは高市氏だけだということだ。
そして、経済もそうだが特に軍事関連はやったからとて即成果が出るようなものではなく、研究開発、あるいは購入、それを元に反復訓練等を行ってはじめて実践投入できるものなのだ。
自衛隊員も入隊して即戦力となるはずがなく、長年の訓練を経る必要がある。
突然有事となった場合、徴兵でどうにかなる世界ではない。
安保法制のあたりでは徴兵復活などと意味不明なことを言う者がいたが、時代錯誤も甚だしい。
大体陸上で銃だけ持った兵隊がミサイル相手にどう戦うというのか、馬鹿丸出しとしか言いようがないだろう。
兵員を確保すればどうにかなる時代は相当昔に終わっている、つまり徴兵云々を言う者は嘘つきと言って差し支えないだろう、根拠が無いのだから。
話をまとめると、日本は中国という大国と対峙している事実、相手は急激に軍事拡張している、日本は全く追いついていない。
経済力などの国力や軍事力の増強は一朝一夕にはできず、一刻も早く取り掛からないと手遅れになる。
その意識が高いのが今回の総裁選で言えば高市氏、現実には岸田氏が勝った訳だが、その意識が希薄と思われる総理の誕生は一刻も早くという観点からすると完全に足踏み状態で歯がゆい限りだ。
つまりこれが国会議員の緊張感の無さ、ひいては国民の危機感の無さの象徴だろう。
核兵器を持たない日本は、米国が手を引いたら即終了、おそらくは中国の自治区になってその先はチベットウイグル南モンゴル香港と同様、監視下に置かれ弾圧を受け、そんな未来になる。
この現実を直視して物事を考えない限り、日本の未来が明るいとは思いにくいのだ。